傷跡が目立たない耳の内視鏡手術

  • 保険
    適応
  • 痛みが
    少ない
  • 短期
    入院

審美性に優れた「耳の内視鏡手術」で、体への負担が少ないQOLの高い耳の治療をしませんか?

センター長欠畑 誠治かけはた せいじ

Greetingセンター長からのご挨拶

患者さんの負担をできるだけ減らし、よりよい毎日を過ごしていただきたいという思いで、「耳の内視鏡手術」(TEES)を世界に先駆けて考案しました。これまで耳の手術の多くは、顕微鏡を用いて耳の後ろを大きく切開して行われてきました。私は小型化・高画質化された最新の内視鏡システムを用いることで新たに内視鏡を用いた手術手技として創り直し、世界的にスタンダードな手術法として確立しました。この「耳の内視鏡手術」(TEES)は、耳の穴から鼓膜や中耳の病変に直接アプローチし、これまでの顕微鏡手術では死角になっていた場所を正確に見ながらできる低侵襲な手術です。これにより、大きく皮膚を切ったり骨を削ったりすることなく、耳の構造を可能な限り温存した、聴力改善手術が可能となりました。中耳内視鏡手術センターでは、『世界中の人を1人でも多く笑顔にする』という目標を掲げ、患者さんへの負担が少なく、審美性に優れたQOLの高い、安全で確実な「内視鏡による聴力改善手術」を提供しています。

TEES:経外耳道的内視鏡下耳科手術(Transcanal Endoscopic Ear Surgery)

Problem耳のこんなお悩みありませんか?

耳が聞こえにくい

耳だれが出る
(膿が出る)

耳が痛い

耳から出血している

中耳炎と診断されたが
手術で耳を切りたくない

下記のような疾患が
治療・手術可能です

急性中耳炎や滲出性中耳炎、外傷による鼓膜穿孔(鼓膜の穴)が治らないと慢性中耳炎に移行し難聴が進行します。鼓膜が破けて穴のあいた慢性穿孔性中耳炎の場合、耳小骨の連鎖に異常がない場合は鼓膜形成術を行い鼓膜穿孔を塞ぐことで聴力が回復します。顕微鏡では、耳の穴の彎曲のため鼓膜全体が見えないケースが20%程度存在します。そのような場合でも、「耳の内視鏡手術」(TEES)では広角な視野で明視下に鼓膜形成術を行うことができます。
鼓室硬化症(こしつこうかしょう)などで耳小骨の可動性が悪い場合、最小限の骨削開で鼓室形成手術を行い、聴力を改善することが可能です。

先天性のものと後天性のものに分けられ、後天性のものの多くは鼓膜の一部が陥凹して角化物が蓄積して、周囲の骨を破壊していく病気です。難聴や耳だれ、耳痛を引き起こします。真珠腫が大きくなると、めまいや顔面神経麻痺、髄膜炎など重篤な合併症を引き起こすことがあります。
再発率が高いことが問題となっていますが、「耳の内視鏡手術」(TEES)により死角を制御することで取り残しをなくし、換気ルートの回復と中耳の粘膜をできるだけ残し耳の機能を保つことで、真珠腫の再発を予防できることがわかってきました。
先天性のものは正常な鼓膜の奥にある異所性の角化上皮で、「耳の内視鏡手術」(TEES)では発生部位を明視下においた確実な手術ができます。

鼓膜には大きな異常がないけれど、音を伝える耳小骨の動きが生まれつき悪かったり、耳小骨の繋がりが切れていることで難聴を生じる病気です。聴力検査やCTで診断が可能です。小児で見つかることの多い中耳奇形にとって、傷跡の残らない「耳の内視鏡手術」(TEES)は、とても良い適応となります。

3つの骨連鎖で構成される耳小骨の一番奥にあるアブミ骨の動きが悪くなることで難聴が進行する病気です。これまで感音難聴だから治らないと言われていた人でも、精密な検査をしてみると耳硬化症であることがあります。「耳の内視鏡手術」(TEES)では、外から見える傷痕を残すことなく手術ができ、良好な聴力改善を得ることができます。

About
surgery
当院が行う
「耳の内視鏡手術」について

耳の内視鏡手術

「耳の内視鏡手術」(TEES)はこれまでの顕微鏡を使った手術とは違い、耳の前や後ろを切らずに、耳の穴から内視鏡を使って手術を行います。外から見える大きな傷跡がなく手術をすることができ、痛みがとても少なく傷の回復が早いため、早期の社会復帰が可能な体に優しい手術です。
また、広く耳の中をモニターに映し出し、大きく拡大した映像を見ながら手術を行うので、安全で確実な結果が得られる、患者さんにも手術をする医師にとっても安心な手術です。

「耳の内視鏡手術」のメリット

患者さんの負担が少ない手術

これまでの顕微鏡を使った耳の手術では、耳の前や後ろを大きく切開して手術をすることが多いのですが、「耳の内視鏡手術」(TEES)では、耳の穴に内視鏡を入れて手術をするため、外から見える大きな傷跡がなく手術をすることができます。

  • 手術後の痛みが少ない手術です。
  • 手術のために、髪を切ったり剃ったりする必要はありません。
  • 傷跡が残らないので、髪で隠す必要がなく、ヘアスタイルに制限がありません。
  • 入院は数日程度と短期間です。
  • 術後の回復が早く、早期の社会復帰が可能です。
  • 手術後に頭部に包帯を巻いたり、ガーゼを当てる必要がありません。
  • 手術日からメガネをかけることができます。

安全で確実な手術

広角な視野を持つ内視鏡で耳の中をすみずみまで見ることができ、さらに拡大して見ることができるので安全な手術ができます。

  • 顕微鏡では見えにくかった死角になるエリアも見ることができ、広い範囲の病変を確認できます。
  • 内視鏡を見たいところへ近づけることで、モニターで拡大した映像を見ながら手術を行います。

「耳の内視鏡手術」の
エキスパートによる手術

「耳の内視鏡手術」(TEES)では、片手に内視鏡、利き手に手術用具を持って行うため、確かな技術と豊富な経験が必要です。当院では「耳の内視鏡手術」(TEES)を開発したエキスパートが手術を担当します。

Features当院の特長

「耳の内視鏡手術」
(TEES)の開発者が
最先端の手術を行います。

1950年代に開発された手術用顕微鏡により、機能温存を可能とする革新的な耳の手術(鼓室形成術)が生まれました。以来、耳の手術は顕微鏡で行われ、様々な術式の改良が行われてきましたが、術野に死角ができてしまうという問題はなかなか解決されませんでした。
21世紀にはいって内視鏡が飛躍的に改良され小型化・高画質化されたことで、耳の穴に挿入できるようになり、これまで顕微鏡では死角になっていた場所を正確に見ながら手術できるようになりました。この「耳の内視鏡手術」(TEES)の技術を開発し、世界に広めてきたエキスパートが最先端の手術を行います。

患者さんの体に優しい
痛みの少ない手術です。

中耳の病気は鼓膜やその周辺にあります。従来の顕微鏡手術では耳の前や後ろを大きく切り、耳の後ろの骨を削る必要がありました。しかし、「耳の内視鏡手術」(TEES)では「耳の穴」をアプローチルートとして使用し、鼓膜やその奥にある病変部に直接アクセスします。そのため、術後の痛みが少なく創部の回復も早い、体に優しい手術なのです。

微細で繊細な耳の中で
安全に手術ができます。

中耳の構造は非常に微細で繊細です。鼓膜は直径1cm弱で厚さは0.1mmほどの薄い膜です。鼓膜の奥にある中耳には、人体で一番小さい3つの骨で構成される耳小骨があり、音を伝える大切な仕組みです。その関節は0.7mmほどで人体最小です。この大切な仕組みをもつ中耳はとても狭く複雑で、顔面神経や味を感じる神経(鼓索神経)、音を感じる内耳への入り口(内耳窓)があります。そのためとても繊細な手術操作が必要になります。内視鏡で見たいところを拡大して見ることは非常に重要で、安全で確実な手術につながります。

審美性に優れ、
早期の社会復帰が可能です。

「耳の内視鏡手術」(TEES)では、耳の穴に内視鏡を入れて手術をすることで、大きな切開が必要なく、入院期間も数日程度と短期間で、早期の社会復帰が可能という大きなメリットがあります。従来の手術より痛みが少ないのはもちろん、髪を剃ったり、頭部にガーゼを当て包帯を巻いたりする必要がありません。傷痕が目立たず審美性に優れています。また、手術後当日からメガネをかけることもできます。

consultation受診について

患者様

まずは地域の医療機関を受診ください
当センターを受診をご希望される場合は、「中耳内視鏡手術センター宛て」の紹介状をご準備ください。

患者様本人またはご家族の方

下記の電話番号にお電話ください

044-244-0131(代表)にて「中耳内視鏡手術センター」予約とお伝えください。

※受付時間は平日9:00~17:00、土曜9:00~12:30第2、4土曜、日曜祝日除く)です。
※ご都合の良い日時をお知らせください。

患者様

予約日になりましたら、当院にお越しください。
ご予約時間20分前に、1階総合受付にて、診療申込書をご記入頂き、保健証・紹介状と一緒に受付③番窓口へお出しください。

FaQよくある質問

手術後の傷口は目立ちますか?
耳の穴の中に小さな切開をおきますので、傷口は外からは見えません。
鼓膜の穴を塞ぐ場合(鼓膜形成術)には、軟骨膜や皮下結合織などの自家組織(自分の体の組織)を使用します。軟骨膜の場合、耳の穴の前にある軟骨(耳珠軟骨)の内側から軟骨膜を採取するので、傷は外から見えません。また、皮下結合織を使用する場合でも、耳の後ろの2cmほどの小切開で行えます。
手術時間はどれくらいかかるものか?
手術時間は病気の程度や手術内容により異なります。通常、鼓膜の穴を塞ぐ鼓膜形成術で1時間、音を伝える耳小骨のつながりを改善する耳小骨連鎖再建術で1時間、真珠腫などの鼓室形成術で2-3時間程度かかります。これは手術自体にかかる時間で、手術室への入室、麻酔の前後の時間がこれにプラスされます。
手術の際は何日ぐらい入院が必要ですか?
全身麻酔で行う場合、手術の前日に入院します。鼓膜形成術では手術の翌日に退院、鼓室形成術の場合は手術翌々日の早期退院が可能です。
手術後、仕事や学校にはいつ復帰できますか?
退院後から仕事や学校に復帰が可能です。いつも通りの日常生活を送ることができます。ただし、強く鼻をかんだり、鼻すすりなど耳に圧力がかかることや激しい運動はお控え下さい。
中耳内視鏡手術の特徴を教えてください。
「耳の内視鏡手術」は、正式には経外耳道的内視鏡下耳科手術(Transcanal Endoscopic Ear Surgery: TEES)と呼ばれています。これまでも顕微鏡手術の中で一時的に内視鏡は使われることはありましたが、TEESはこれまでの顕微鏡を使った手術とは違い、耳の前や後ろを切らずに、耳の穴から内視鏡だけを使って行うTotal Endoscopic Ear Surgeryです。外から見える大きな傷跡作ることなく手術をすることができますので、審美性に優れた、痛みがとても少なく傷の回復が早い、早期に社会復帰ができる体に優しい手術です。
中耳内視鏡手術を専門に行っている医師は多いですか?
2011年に前任地の山形大学で本格的に「耳の内視鏡手術」を開始して以来、山形を中心に、国内・世界各地でTEES のハンズオンコースを開催し普及活動を行ってきました。国内では当初から関心を持ち、積極的に技術を習得してくださった医師コアメンバーによるJWGEES(Japan Working Group on Endoscopic Ear Surgery)を結成し、さらなる普及活動・学会活動を行ってきました。その結果、国内でもTEESを行える医師、施設が増えてきています(2022 年4 月の診療報酬改定でTEESは経外耳道的内視鏡下鼓室形成術(K319-2)として収載され、保険適応となりました)。

しかし、「耳の内視鏡手術」(TEES)では、片手に内視鏡、利き手に手術用具を持って行うため、確かな技術と豊富な経験が必要です。「耳の内視鏡手術」を安全・確実に行ってもらうため、IWGEES(International Working Group on Endoscopic Ear Surgery)のPresidentとして、国際的に幅広い学会活動や広報活動を行い、日本のみならず世界中の患者さんにTEESの恩恵を届ける精力的な活動をしています。
https://iwgees.org/who/ https://plaza.umin.ac.jp/ees2022/
手術のリスクと合併症などあれば教えてください。
中耳の構造は非常に微細で繊細です。直径1cm弱の鼓膜の奥には、音を伝える3つの骨(耳小骨:人体で一番小さい骨)や、顔を動かす顔面神経、味を感じる神経(鼓索神経)、音を感じる内耳への入り口(内耳窓)など重要な構造があります。そのため、顔面神経麻痺、味覚障害、感音難聴、めまいなどのリスクを避けるため、繊細で確実な手術操作が必要になります。
耳の手術後に後遺症は残りますか?
これまで山形大学で実施した耳の内視鏡手術では、顔面神経麻痺や高度感音難聴などの重篤な偶発症の発生はありませんでした。

Access交通アクセス

〒210-0024
神奈川県川崎市川崎区日進町1-50
※当院に駐輪場はございませんので、公共の駐輪場をご利用ください。

電車でお越しの場合
  • ・JR川崎駅東口より徒歩5分
  • ・京急川崎駅より徒歩7分
お車でお越しの場合
立体駐車場のご案内(有料)
収容台数:30台
(最大:高さ1550×幅1850×長さ5000、重1.6t)
営業時間
8:00~24:00
駐車料金
最初の60分まで 400円
以降、30分ごと 150円